*りんご*
小包が届いた。
4冊分の詩と1枚のCDと。
そして手紙。
皆が寝静まった夜、月明かりの下、手紙を開く。
よみがえる、あの時の感覚。
ゆらゆら、と重力の中で宙ぶらになっていたあの頃。
まだ、自分以外に守るべきものがなかったあの頃へ。
見えてきた。
自分が好きなものの感触が。
守るべきものがある幸福の中で、輪郭が薄れていきつつあった私の輪郭の一部が。
深呼吸のリズムを忘れていたことに気がついた。
ああ、風通しがよい。
よくなっていくよ。
手書きの文字の向こう側、
に漂う香りと。空気と。
そして言葉達と音達と。
ありがとう、ね。
☆
急に聞きたくなってきた、クリンペライ。
急に見て見たくなってきた、「しあわせのパン」
☆
深呼吸とラジオ体操、習慣にできたら。